季節の花に人生を重ねて  アサガオ(朝顔)

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・季節の花に人生を重ねて
(7月の花より)
 アサガオ(朝顔)


 厳しい環境でこそ咲く花がある。


真夏の風物詩として欠かせない草花です。

子供から大人まで幅広い年齢層 の方々に愛され、土に親しむことの少ない都会でもアサガオ栽培の経験のな い方はまずいないでしょう。高層ビルの高層階のベランダで、袋小路の奥の
家屋の軒先で、ひなびた田園風景の家屋の前で、日本の風景に似合うその姿
は、清々しい花を咲かせた「日本の夏」を楽しませてくれます。


 アサガオは熱帯アジアを原産とする、ヒルガオ科の蔓性の一年草です。日
本原産の植物ではなく、奈良時代に中国から渡来し、薬草として用いられた
のが始まり。

当初は、その種子に利尿下剤効果があることから「牽牛子」の 名で中国から運ばれました。その時期は平安時代の始めとも、奈良時代後期
とも言われていますが定かではありません。

しかし、平安初期の律令を記し た「延喜式」に牽牛子の名前が記載されていることから、種子はこの頃から 薬用として使われていたのでしょう。


 朝顔は1日花なので、午前中に咲いた花は午後になるとしぼんでしまいます
が、翌日には新たな花が咲いていきます。


 日本人の多くは、薬効よりも花に魅了されました。特に日本人は花の姿に
自分の人生を重ね合わせ、私たちを励ましてくれる花と受け止めているから
です。

渡来当初は、その儚い美しさが歌の材料にもされましたが、江戸時代
以降は観賞用の草木の育成・栽培が盛んになるにつれて、朝顔はますます盛
んに咲き続けやがて永遠の生命を輝かせる花と見られるようになりました


 このようなアサガオ観は、千利休以来の茶の心から生まれたと言われてい
ます。一日一日を大切にする、充実した人生を送ることを願う茶人にとって
、汚れなく澄んだ色に花弁を染めて、日々新しい花を咲かせるアサガオは人
生の理想とすべき姿だったのかもしれません。

茶人ばかりではありません、
市井の多くの人がアサガオの育ち行く姿に自分の人生を重ね合わせて来まし
た。
 双葉からツルが伸び、支柱に取りすがる姿は、一途で幼な児が親を慕い求
めているようにも見えます。また、アサガオは「痩せ地に植えよ」、と言わ
れてきました。肥沃な土は葉を太らせるだけで花を結ばないためです。この
ことから、ある人は己が子を教育する時に物を豊富に与えて甘やかしてはな
らない、という教訓としたのです。


 自制心の強い日本人にとってアサガオは勤勉に努力して厳しい環境の中で
もひるまずに花を咲かせる姿が心に深く染みたのです。

花言葉は、「明日もさわやかに」「結束」「愛情の絆」「私はあなたに絡み
つく」があります。

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