変動金利型なら毎月2万円以上の負担軽減も

しかし、本当にそうだろうか。これだけ世界的に金利が上がれば、わが国だけ低金利を続けているわけにはいかなくなるのではないか。円安がいっそう進行して、経済にも大きな影響を与えるだろう。

そうでなくても、住宅ローンの返済は20年、30年と続く。その間には何度か金利上昇局面が来るのは間違いない。それが10年先なのか、ひょっとして1、2年後なのか、それは誰にも予測がつかない。

いずれにしても、変動金利型は市中の金利が上がると適用金利が上がって、住宅ローン返済額は増加する。それを知っておき、ゆとりある返済計画を立てておかないと、ローン破綻に陥るリスクがあるのだ。

実際のところ、金利上昇によって、どれくらい返済額が増えるのかを試算したのが図表2だ。

金利0.375%、35年元利均等・ボーナス返済なしで4000万円の借入れを行うと、毎月の返済額は10万1639円。全期間固定金利型の代表格であるフラット35だと1.53%なので、同じ条件での毎月返済額は12万3062円。月々にして2万1423円、年間では25万円以上の差になるのだから、変動金利型を利用したくなるのも十分に理解できる。

【図表2】変動金利型返済中に金利が上がったときのシミュレーション